メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

ミュージカル『アナスタシア』

2020年04月18日 | 国内エンタメ

メガヒヨはブロードウェイミュージカルのアナスタシアが大のお気に入り!
この度シアターオーブにて日本初上演が行われるというのでチケットを3回分取って楽しみにしていた。
ちなみに主催の梅田芸術劇場さんはブロードウェイ版のプロデューサーとして名を連ねている。

ところがこのコロナ禍! メガヒヨの取った3回分は全滅。せっかくのロイヤル席が…。
でもこの機会を逃すと観るチャンスはそう巡ってこないかも?と思いチケットを取りなおした。
仕事の都合もあるので2回分となり、海宝・相葉ディマ、遠山グレブ、朝海リリー、そして木下アナスタシアは観られなくなってしまったのだけど(涙)
ただその後大阪公演は全面中止となってしまったことを考えれば観られただけラッキーと思うのであった。


(観られてラッキーとはいえ、とっても舞台が遠い2階席。自分は3列目だったのだけどこの見え方でS席は悲しい。
しかも2階は10列くらいまでS席設定な様で。ロイヤル席や1階前方を値上げしても後方の値段は抑えるべきではないかな・・・?)

今回の上演はブロードウェイの演出を受け継いだ、いわゆるレプリカ版。(アレクサンドル橋がカットされているがこれはツアー版に準じるとのこと)
以前から、日本未上陸の作品はクリエイターの心をそのまま日本の観客に伝えるべく初演の演出そのままで上演するべきと主張してきたのでその通りになっていて嬉しい。
しかも訳詞はあの高橋亜子さん!メロディをころさず、英語詞のエッセンスをそのまま日本語に変身させるまさに詩人。

Home, love, family
I will never be complete until I find you
ホーム、ラブ、ファミリー
わたしがわたしであるため

ここら辺なんて神がかっているお仕事だと思う。本当に。

役者さんも良かった。

アナスタシア役の葵わかなさんは舞台では初めて拝見。
以前からお顔がすごく可愛いなと思っていたけれど、声も澄んでいて綺麗だった。
Christy Altomareみたいにシンシナティ大学レベルの名門校で鍛えれば、更に素晴らしいミュージカル女優になるのではないかな。

ディミトリの内海さんは若くてメガヒヨの目には眩しかった。
はきだめにダイヤモンドの原石って感じで、これはアーニャも好きになってしまうだろうな。
歌も決めるところは決めていた。

リリーの堀内敬子さん、マルシアさんも良かった。
堀内さんは細部まできめ細かい所作で奔放な伯爵夫人になり切っていたし、マルシアさんはヒット歌手の貫禄で「♪Land of Yesterday」をゴージャスに盛り上げていた。

ヴラドのお二人、大澄賢也さんと石川禅さんは影の主役といっていい位。
ブロードウェイでもJohn Boltonさんの存在感と芸達者ぶりは素晴らしかったけど、日本のヴラドもそれに肩を並べていた。
大澄さんは誰よりも踊りが洗練されていたし、石川さんは愛情あふれる表現とよく響く歌声でショーの屋台骨を支えていた。

グレブのお二人だけど、山本耕司さんは恋にはまるまじめなエリート将官、堂珍嘉邦さんは宝塚ばりに耽美な敵役という印象。
それぞれ良かった。
あ、町娘を顎クイするのは山本さんは書類をつかって、堂珍さんはブロードウェイ版のMaxさんとおなじく指一本で行っていたよ。
そうそう。グレブ三番手で普段は皇帝/イポリトフ伯爵役の遠山裕介さんもとてもいい声だったので、グレブ役で観られなくて残念だった。

アンサンブルの方々も素晴らしかった。
特に白鳥の湖のシーン。ブロードウェイ版ではメガヒヨ大贔屓のKyle Brownくんがジークフリート王子を踊っていた。長い手足でダイナミックなバレエが印象的だった。
日本版でこの役を務めるのは西岡憲吾さん。(違ってたら失礼。Bwayと違い役名表示ないもので。)
本職のバレエダンサーで、ラストのリフトは両手を離すテクニックを披露してくれた。Kyleくんもここまではしてなかった。

今回はレプリカ演出ということで、振付、衣装、装置、オーケストレーションもブロードウェイ版そのまんま。
衣装はLinda Choさんデザインの豪華なドレスの数々がそのまま日本人サイズに。あの皇后のきらびやかな衣装もそのままで感動した。
振付はPeggy Hickeyさんが来日して役者さんに指導していた模様。ありがたや。
舞台装置もあの高精細LEDのプロジェクションマッピングを日本でも再現。あの超美麗映像をブロードウェイで観た際、帝国劇場のドット装置(あれ未だ使ってるの?)を思い出して涙がちょちょ切れたものだ。

さて。この度は新型肺炎流行のなか厳戒態勢で上演されたのだけれど、劇場スタッフの尽力には頭が下がった。
まず役者さんへの手紙・プレゼント、出待ち行為はお断り。これは安全のために仕方ないよね。
そして入り口では観客全員の検温、そして手のアルコール消毒。

バーもクローズしていた。劇場の大切な収入だろうに。

スタッフさんの尽力もあってか、3月において劇場全体での集団感染は無かったとのこと。
確かにライブやスポーツ観戦とは違い、お客さんは声を出さないしね。マスク装着も徹底していたし。

それでも公演数の大半が休演になってしまい大赤字は避けられないと思う。こんなにいい作品なのに。
簡単なことではないだろうけど、是非再演を期待したいのであった。
元の作品の素晴らしさと、日本語上演の理想的な形であっただけに。

 



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